概要:AIは採用活動からリストラクチャリングまで、人事のあらゆる工程を効率化します。しかしこの記事では、効率化だけでは見落とされがちな、もう1つの重要な視点を整理します。

【結論】

AIは人事のほぼすべての工程を効率化できますが、それだけでは企業の命運を決める最も重要な要素を見落とします。組織にブレイクスルーと変革をもたらし、売上を数倍に引き上げる起爆剤となる人材をいかに見つけ、採用できるかです。既存の人事の効率化の概念を超えた、しかし古くから語り継がれてきた人材登用のノウハウを、AI人事に組み込む必要があります。

AIは人事のあらゆる工程を効率化する

AIは採用活動、求人、ヘッドハンティング、AI面接、適性診断、リスキリング、リストラクチャリング、人事評価まで、人事のほぼすべての工程を効率化します。 これは間違いのない事実であり、AIを人事に導入する意義そのものです。人事のあらゆる要素に効率化をもたらすと言っても過言ではありません。

しかし効率化だけでは見つけられない、もう1つの人材

ただし、ここには大事な視点が抜けています。効率化されたプロセスは、平均的に優秀な人材、基準を満たす人材を見つけるのは得意です。しかし、基準そのものを塗り替えてしまうような人材は、既存の評価軸の中では見つかりにくいという構造的な限界があります。

「一隅を照らす、これ則ち国宝なり」に学ぶ、異端児の価値

天台宗の開祖である最澄の言葉に、「一隅を照らす、これ則ち国宝なり」というものがあります。自分が置かれた場所でベストを尽くす者こそが国の宝である、というのが本来の意味ですが、この言葉が指し示す”国の宝”という概念を、現代の企業経営に置き換えて考えてみます。

企業にとっての”国の宝”とは、分かりやすく言えば異端児です。常識にとらわれず、発想力と行動力、交渉力を持ち、利害に関係なく正義を貫き、仲間を守る人材。こうした人材こそが、組織にブレイクスルーをもたらす存在です。

異端児と、組織を腐らせる人材の違い

ここで注意すべきなのは、異端児とただの問題児を混同しないことです。

常識にとらわれず発想力と行動力、交渉力を持ち、利害に関係なく正義を貫き仲間を守る異端児と、悪意を持って組織を陰で腐らせる人材とは、まったく別の存在です。 後者は、異質で組織に馴染めず、悪意を持って行動し、人の足を陰で引っ張ったり、他人の手柄を横取りしたりする人材です。ブドウの房の中の腐った一粒のように、放置すれば組織全体を腐らせていきます。

ブドウの房の中の腐った一粒のように組織全体を腐らせる人材を見つけ出し、適切に処遇することも、AI人事システムの重要な役割です。 異端児を見出す力と、組織を腐らせる人材を見極めて処遇する力。この2つは、一見似ているようで、まったく異なる評価軸を必要とします。

これからの企業の命運を分けるもの

組織にブレイクスルーと変革をもたらし、売上を数倍に引き上げる起爆剤となる人材をいかに見つけ、採用できるかで、AI時代の企業の命運が決まります。 採用・評価・リスキリング・リストラクチャリングといった効率化は、あくまで土台にすぎません。その土台の上で、既存の評価軸では拾いきれない異端児をどう洗い出し、どう処遇するかという視点を組み込めるかどうかが、企業の差になっていきます。

まとめ

AIは人事のあらゆる工程を効率化しますが、それだけでは企業の命運を分ける最も重要な要素、すなわち組織を変革する起爆剤となる異端児の発掘までは担いきれません。既存の人事の概念を超えた、しかし古くから語り継がれてきた人材登用のノウハウを、AI人事の仕組みに組み込むこと。これが、これからのAI時代における企業の競争力を左右します。

BroadPeakは、AI教育・投資教育・DXコンサルティングを通じて、効率化と人材発掘の両方を組み込んだAI人事の設計を支援しています。


本記事は、BroadPeakのAI教育・投資教育・DXコンサルティングの知見をもとに執筆しています。特定のサービス・企業を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。