概要:新規事業や営業拡大には力を入れるのに、リスク管理や法務・労務への投資は後回しにしていないでしょうか。この記事では、鉾盾論争という故事から、経営における攻めと守りの本当のバランスと、「積極的な守り」という視点を整理します。
【結論】
「どんな盾も貫く鉾」と「どんな鉾も防ぐ盾」、どちらが最強かという鉾盾論争は、答えを出すこと自体が無意味な問いです。重要なのは、攻め(新規事業・営業拡大)と守り(リスク管理・法務・労務・財務基盤)のどちらも常に磨き続けることです。多くの企業は攻めばかりに投資し、守りを後回しにしますが、守りには受け身の防御だけでなく、次の攻撃機会を作り出す「積極的な守り」もあります。

なぜ企業は「攻め」ばかりに投資してしまうのか
どちらが最強かを問うこと自体が無駄な論争であり、実際に重要なのは、攻めと守りの両方を常に磨き続けることです。 これは古代の鉾盾論争から続く、ニワトリと卵の議論と同じ構造をしています。
しかし現実の経営では、この問い以前に、多くの企業が最初から攻めにばかり資源を投じています。多くの企業は鉾(攻め)ばかりを鍛えようとし、盾(守り)を鍛えることを後回しにしてしまいます。 新規事業や営業拡大、DX投資といった攻めは成果が目に見えやすく、投資対象として選ばれやすいためです。
一方で、リスク管理・法務・労務・財務基盤といった守りは地味です。何も起きなければ効果を実感しづらく、後回しにされがちです。しかし、攻めだけを積み重ねた先には、いずれ守りの不備が経営そのものを揺るがす瞬間が訪れます。
「積極的な守り」という第三の選択肢
守りと聞くと、ただ耐えることをイメージしがちですが、経営における守りはそれだけではありません。
積極的な守りとは、ただ耐えるだけの受動的な防御ではなく、相手の攻撃そのものを封じ込め、次の攻撃機会を作り出す能動的な防御を指します。 例えば、AI導入にあたって整理解雇の法的要件を先に理解しておくこと(AI研修をしたら人が余った、という社長からの”内緒の相談”が増えている理由で扱った通り)は、単なるリスク回避ではなく、社員の再配置という次の一手を打つための土台になります。守りをきちんと固めることが、結果として攻めの選択肢を広げることにつながるのです。
攻めの成果が目立つ時期ほど、守りは軽視される
新規事業や営業拡大が好調な時期ほど、リスク管理や法務・労務への投資は「今は必要ない」と見過ごされがちです。しかし、環境が急変した時、あるいはAIのような構造変化が業界に押し寄せた時、最初に露呈するのはこの守りの不備です。
このあたりの構造は、実はトレードの世界とも驚くほど似ています。トレードにおける鉾は仕掛けの部分、盾は損切りと資金管理です。どれだけ精度の高いエントリー手法(鉾)を持っていても、損切りや資金管理(盾)が甘ければ、一度の相場急変ですべてを失いかねません(詳しくは鉾盾論争に意味はない:攻めと守り、どちらも磨き続けるべき理由でも扱っています)。経営も同じで、攻めの成果だけを追い求めた企業ほど、守りの不備によって足元をすくわれるリスクを抱えています。
まとめ
鉾盾論争は、答えを出すこと自体が無意味な問いです。経営においても、大抵は攻め(新規事業・営業拡大・DX投資)ばかりに目が向き、守り(リスク管理・法務・労務・財務基盤)は後回しにされます。しかし守りには、ただ耐えるだけでなく、次の一手の土台を作る積極的な守りという選択肢があります。
BroadPeakは、AI教育・投資教育・DXコンサルティングを通じて、攻めと守りの両方を同じ熱量で磨き続けるための支援を行っています。
本記事は、BroadPeakのAI教育・投資教育・DXコンサルティングの知見をもとに執筆しています。特定のサービス・企業を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。