概要:経営者は事業そのものに強く興奮し、次々湧いてくるアイデアを早く形にしたくてイライラしがちです。これはアドレナリンが出続けるギャンブル中毒に近い症状であり、なかなか経営から退けなかったり、複数の事業に手を広げすぎてしまう原因にもなります。この記事では、経営者が刺激を求めて事業を広げてしまう構造と、その刺激をFXに分散させることの意味を整理します。
【結論】
経営者にとって、経営そのものは強い興奮を伴う体験であり、事業拡大やアイデアの具体化に強い快感を覚えるのは、アドレナリンが出続けるギャンブル中毒に近い症状です。この興奮を求め続けるあまり、経営から退けなかったり、次々と新しい事業に手を出したりする経営者は少なくありませんが、人間が本気で成功させられる事業は、大抵1つだけです。それ以外は片手間になり、結果として本業の力も分散してしまいます。経営で得ている刺激を、ゲーム感覚で投資に置き換えて分散させることは、経営中毒を防ぎ、本業への集中力を保つための、有効な気分転換の手段になります。
経営者はなぜ経営そのものに興奮するのか
経営者と話していると、「事業を大きくすること自体が楽しくてやめられない」という声をよく聞きます。新しいアイデアが浮かんだ瞬間から、それを一刻も早く形にしたくてたまらなくなり、じっとしていられなくなる。この感覚は、事業を成長させたいという合理的な意欲であると同時に、アドレナリンが出続けている状態、つまりギャンブル依存に近い興奮状態でもあります。
売上が伸びる瞬間、新規事業が動き出す瞬間、資金調達が決まる瞬間。これらは経営者にとって強い快感を伴う出来事であり、一度この感覚を味わうと、次の刺激を求めて、また新しいことに手を出したくなります。
なぜ経営者は「あれもこれも」に手を出してしまうのか
経営から得られる興奮を求め続けるあまり、なかなか経営の第一線から退けなかったり、既存事業がうまくいっているにもかかわらず、次々と新しい事業に手を広げてしまったりする経営者は少なくありません。 これは経営者に共通して見られる傾向です。
しかし、人間が本気で経験と時間を注ぎ込んで成功させられる事業は、大抵の場合1つだけであり、それ以外の事業は、本人が気づかないうちに片手間になってしまいます。 複数の事業に手を広げることそのものが悪いわけではありませんが、その動機が「刺激を求めているだけ」だとすれば、本業に向けるべきリソースや集中力までもが、新しい刺激のほうに流れていってしまいます。
「刺激が欲しくてFXをやりたい」という相談
こうした背景から、経営者から「ギャンブルやゲーム感覚での刺激を求めるようになったので、FXをやろうと思っている」という相談を受けることが増えてきました。
これは、決して不健全な動機ではありません。経営という強い刺激を常に必要としてしまう体質を自覚した上で、その刺激の一部を、経営の外側に逃がそうとしている点で、むしろ理にかなった相談です。 問題は、刺激を求める気持ちそのものではなく、その刺激を常に本業の意思決定の中で消費してしまうことにあります。
経営で刺激を得るのではなく、投資で刺激を得る
理想的なのは、経営そのものから刺激や興奮を得ようとするのではなく、ゲーム感覚で取り組める投資を別に持つことで、経営中毒に陥らないよう意識的に気分転換をすることです。
経営の意思決定は、本来であれば冷静な判断に基づいて行われるべきものです。しかし、意思決定そのものに興奮を求めてしまっている経営者は、事業拡大の判断すらも「刺激が欲しいから」という動機で行ってしまうリスクを抱えています。FXのような、経営とは切り離された場所で刺激を消費できる手段を持つことで、本業の意思決定を興奮から切り離し、本来あるべき冷静な判断に戻すことができます。
以前の記事(経営者ほど早く身につけるべきマネーリテラシー)でも触れた通り、投資には自分自身の判断力という内的な技術が必要です。経営で消費しきれない刺激を、この内的な技術を磨く場に振り向けることは、単なる気分転換以上に、経営者自身の判断力を鍛える機会にもなります。
まとめ
経営者が事業そのものに強く興奮し、次々と新しい事業に手を広げてしまうのは、アドレナリンが出続けるギャンブル中毒に近い自然な症状です。しかし、本気で成功させられる事業は大抵1つだけであり、刺激を求めて手を広げるほど、本業への集中力は失われていきます。経営で刺激を得るのではなく、ゲーム感覚で取り組める投資に刺激の一部を逃がすことは、経営中毒を防ぎ、本業に集中し続けるための有効な手段です。
本記事は、20年以上のFXトレード経験と実際のトレード指導の現場から得た知見をもとに執筆しています。特定の売買・投資手法を推奨するものではなく、情報提供を目的としています。